iPhoneやiPadをお持ちのみなさん。
そして小説同人誌の本文組みにお悩みのみなさん。
朗報です。
適当に設定するだけで「DTPできる人に組んでもらった?」と錯覚するくらいきれいな本文組みができる、日本語用テキストエディタアプリがありました。
※上の画像は「縦式 - 縦書き入力」のアプリ紹介ページをスクショしたもの
2019.9.30追記
記事を【基本編】(※この記事)・【実用編】に分割しました。
設定やレイアウトについては【実用編】にて解説しています。
※この記事では2019年9月16日時点の最新版である『縦式』ver.2.0.4を使用しています。
また、iOS12.0.4(iPad mini2)で使った際の感想です。
2019年9月20日に配信されたiOS13とは仕様が異なる可能性があります。
前置き
こんな方を想定した記事です。
縦式 - 縦書き入力
『縦式』とは
apps.apple.com
『縦式』は、その名の通り縦書きに特化した日本語用テキストエディタです。*1
はじめて使う人でもとっつきやすく、それでいて日本語を美しく組むための工夫が随所に盛りこまれています。
編集画面。無料版では上部に広告が入ります。
アプリ内課金ではずせます。
データ入稿に便利なPDF出力、SNSなどに載せやすいJPEG・PNG出力にも対応。
サクッとレイアウト設定・PDF生成できます。
テキストエディタとしての紹介は、すでに先人による詳しい記事があるのでいろいろ探してみてください。
実際に『縦式』で本を作った方の記事も。
同人印刷でおなじみのねこのしっぽさんでも『縦式』を使った本文データの作り方について、詳しく解説してくださっています。
ちなみにアプリ作者さんのヘルプはこちら。
困ったらまずここを確認。
テキストエディタでありながら出力機能がすごい『縦式』
『縦式』、テキストエディタとしての使い勝手もいいアプリです。
けれどもわたしがこのアプリをすすめたい理由は別のところにあります。
この『縦式』の真価は出力機能。
出力時の日本語組みがとても美しいのです。
『縦式』のここがすごい
なにがすごいって、基本仕様そのものがすごい。
※なお、以下の仕様については公式発表ではなく、当方が数パターンのレイアウトで出力したデータで確認・計算したものです。
そのため実際のアプリ内部の設定値とは異なる可能性があります。目安程度に。
以下の画像をごらんください。
江戸川乱歩『屋根裏の散歩者』
以上3つすべて、アプリ側で設定されている項目。
ユーザー側での設定は不可。
これこそが、わたしの思う縦式のすばらしい点です。
「なんで設定不可なのがすばらしいの?」
……と思うのはごもっとも。
ひとつずつ見ていきます。
- ルビは本文フォントサイズの1/2
- ノンブルは本文の地から2字アキの位置(ノンブル下置きの場合)
これはいずれも、小説を組む際「この数値にしておけばOK」というお手本のような数値。
……と同時に、WordやInDesignなどを使って自分で本文レイアウトを組む際、どう設定したらいいか頭を悩ませる箇所でもあると思います。*2
最初からこの数値、とアプリ側で決めてもらえるの(しかもきれい)はありがたいかぎり。
ほかにも字間やアキ量設定など、うかつにいじると文字組がくずれてしまいがちな設定箇所は、アプリ内部で理想的な数値に処理してくれます。
これによりユーザーは、いつも使っている文字数や余白などを設定するだけで、誰でも手軽に失敗しない本文組みを作ることができます。
江戸川乱歩『悪魔の紋章』(本文9pt・26字×21行)
5字ごとにガイドを引いてみました。
文字がぶれることなく横に揃っているのがわかるでしょうか。
このように字がスッと揃う本文を、誰でも簡単に作れるのが、縦式の強みです。
段間の仕様。これも嬉しいポイントです。
端数もここに吸収されるため、天地の値が変わることがありません。
設定やおすすめ本文レイアウトなどは実用編にて。